販促物としてのカードの歴史<お菓子のおまけ編>

□販促物としてのカード

お菓子のおまけに付属するカード。
筆者が物心ついた頃には存在しており、たまのご褒美に買ってもらったり、なけなしのお小遣いを握りしめて駄菓子屋さんに買いに行ったりと個人的にもたくさんの思い入れがあります。

そもそもおまけとしてのカードは古くは江戸時代、薬売りが薬を買った人に薬とともに添えた版画がそのルーツと言われているそうです。
その後、明治時代後期にはタバコの付録として花札や女性の絵が描かれたカードが使用されるなど100年以上も前からすでにカードは販促物として使用されていたようです。

□仮面ライダースナック問題

当時を知らない筆者でさえもその話題は聞いたことがある「仮面ライダースナック」。
これは当時子供たちの間で大流行していた仮面ライダーのカードをおまけとして付けたスナック菓子のことですが、当時はカード目当てで買い求める子供たちが多く、肝心のスナックは捨てられてしまうという問題が発生する事態となりました。(そしてこのことは後に某国民的アニメでも取り上げられることになりました。)

これまでもお菓子に点数カードをつけることによって目標点数獲得を目指す子供たちのリピート購入を促したりと、カードは販促物としてその威力を発揮してきましたが、いよいよ社会問題に発展するまでに至りました。

□食玩用カードの定着化

仮面ライダースナックの大ヒットを経て、「お菓子+カード」のタッグはある程度テンプレート化される形となりました。
現在も販売されており多くのコレクターも存在する「プロ野球チップス」、同じくJリーグ黎明期から販売されており長い歴史を誇る「Jリーグチップス」、お菓子以外にもレトルトカレーやソーセージ、ふりかけなど食品に付与される(これは比較的戦隊シリーズやヒロインものに多い印象)ことも多く、カードは「おまけ=ノベルティ」としての地位を確立することになります。


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「カード」というメディアはそのシンプルさも相まって販促アイテムの最前線を常に走っていると言っても過言ではありません。
調べれば調べるほどその深みにはまっていきそうです。
次回は別の使用用途から販促物としての歴史を掘り下げてみたいと思います。